マーケティング| AIpedia編集部

「海外か国内か」「キャリア系か独立系か」で束ねるとAIの癖が見える|ホテル・格安SIM・CRMの言及シェアをブランドの出自別に集計した【2026年10月実データ】

ChatGPT・Gemini・Claudeの言及シェアは、ブランド単位で見ると数字が散らばって読みにくくなります。そこで出自(海外か国内か、大手キャリア系か独立系か)でグループ化し、モデル別に合計しました。ホテル予約では海外OTAの取り分がChatGPT 77.5%・Claude 51.2%、格安SIMでは大手キャリア系がChatGPT 23.5%・Claude 61.7%。自社がどのAIで不利な層に属するかを見つける手順を、公開実データで解説します。

「自社カテゴリのAI言及シェアを見たが、ブランドごとの数字がバラバラで、何を読み取ればよいのか分からない」——AI検索の計測を始めたマーケターから、こうした声をよく聞きます。ブランド10社×AI3つの表は、そのまま眺めても結論が出ません。

そこで本記事では、ブランドを「出自」で2つのグループに束ね、AIごとにグループの取り分を合計するという読み方を試します。使うのは、AIOPulseが公開している業界別ランキングの実データ(ホテル予約・格安SIM・CRM・クラウド会計)です。結論を先に書くと、同じカテゴリでもChatGPTだけが他の2つと違う層のブランドを薦めているケースが複数あり、自社がどちらの層に属するかで「どのAIから手を付けるか」が変わります。

なお、AIOPulseは当サイトの運営元であるMarketing Cloud Labが開発・提供するツールで、本記事のデータ出典でもあります。この点を踏まえて、後半では競合のミエルカGEOとの使い分けも、AIOPulseが不利になる点を含めて整理します。AIO対策そのものの基礎はAIO対策の基礎解説に譲り、ここでは計測結果の読み方に絞ります。

なぜ「ブランド別」ではなく「出自別」に束ねるのか

ブランド別の数字は、1社ごとの増減に目が行きます。しかし実務で知りたいのは「どのAIが、自社のような会社を薦めやすいのか」という傾向のほうです。ブランドを出自で束ねると、次の2つが見えます。

  • AIごとの得意な層:あるAIは海外ブランドを厚く、別のAIは国内ブランドを厚く挙げる、といった偏り
  • 自社の立ち位置:自社が属する層が、どのAIで薄いのか

集計は単純です。公開ランキングの表から、グループ内のブランドのAI別シェアを足すだけです。今回の3カテゴリは、AIごとのシェア合計がほぼ100%(四捨五入の誤差±0.2ポイント程度)になっていたため、グループの合計は「計測対象ブランドの中での取り分」としてそのまま読めます。

実データ1:ホテル予約|海外OTAの取り分は、ChatGPTで77.5%、Claudeで51.2%

ホテル予約カテゴリの公開ランキング(2026年10月21日更新、6ブランド、集計期間7日、有効日数はChatGPT 4日・Gemini 3日・Claude 7日)のAI別シェアは次のとおりです。

ブランドChatGPTGeminiClaude
Booking.com28.5%24.1%20.8%
agoda22.4%18.7%16.6%
Expedia26.6%11.7%13.8%
楽天トラベル8.3%17.8%18.5%
じゃらん7.5%13.3%16.3%
一休6.8%14.3%14.1%

運営元の本拠が海外のOTA3社(Booking.com・agoda・Expedia)と、国内3社(楽天トラベル・じゃらん・一休)に分けて合計すると、こうなります。

グループChatGPTGeminiClaude
海外OTA3社の合計77.5%54.5%51.2%
国内3社の合計22.6%45.4%48.9%

ChatGPTでは海外OTAが約8割を占める一方、Claudeでは約5割で、国内3社とほぼ拮抗しています。ブランド別の表では「Expedia 26.6%と11.7%と13.8%」と散らばって見えたものが、グループにすると「ChatGPTは海外寄り、GeminiとClaudeはほぼ半々」という一文にまとまります。ちなみにGeminiとClaudeの差は、海外OTAで3.3ポイントしかありません。ChatGPTとClaudeの差は26.3ポイントです。

国内の宿泊予約サービスが「ChatGPTで22.6%しか取れていない」ことは、ブランド別の表を1行ずつ読んでいても気づきにくい点です。もし自社が国内の宿泊予約サービスなら、ChatGPTで顧客が情報収集をしているかどうかが、優先度を決める最初の問いになります。

実データ2:格安SIM|大手キャリア系5ブランドは、ChatGPTで23.5%、Claudeで61.7%

次に格安SIMカテゴリの公開ランキング(2026年10月21日更新、8ブランド、集計期間8日、有効日数はChatGPT 4日・Gemini 3日・Claude 8日)です。ここでは、大手3キャリアのサブブランド・オンライン専用プラン(UQモバイル・LINEMO・ahamo・povo・ワイモバイル)と、それ以外(楽天モバイル・IIJmio・mineo)に分けます。

ブランドChatGPTGeminiClaude
楽天モバイル28.8%10.2%15.6%
IIJmio25.7%16.4%11.7%
mineo22.0%19.2%10.8%
UQモバイル15.4%6.3%11.5%
LINEMO3.5%14.1%13.8%
ahamo1.4%15.4%12.8%
povo0.5%10.1%13.8%
ワイモバイル2.7%8.4%9.8%
グループChatGPTGeminiClaude
大手キャリア系5ブランドの合計23.5%54.3%61.7%
それ以外3ブランドの合計76.5%45.8%38.1%

ホテル予約と同じ構図です。ChatGPTとClaudeの差は38.2ポイント、GeminiとClaudeの差は7.4ポイントでした。povoはChatGPTで0.5%、Claudeで13.8%と、同じ質問でもAIによって別のブランドであるかのような扱いです。「ahamoはChatGPTで1.4%」という数字だけを見て悲観するのも、「Claudeで12.8%だから安泰」と判断するのも、どちらも片側しか見ていません。

この分け方には恣意性があります。たとえば楽天モバイルは自前の回線を持つキャリアですが、ここでは「大手3キャリアのサブブランド・オンライン専用プラン」という基準から外れるため、もう一方のグループに入れました。どこで線を引くかは分析する人が決めるため、線の引き方を明記することが必要です。

実データ3:CRM|国産1社のkintoneだけがChatGPTでほぼ0%

CRMカテゴリ(2026年10月23日更新、4ブランド、有効日数はChatGPT 4日・Gemini 2日・Claude 8日)では、kintoneだけが国産で、残る3社(Salesforce・HubSpot・Zoho CRM)は海外製です。

グループChatGPTGeminiClaude
海外製3社の合計98.2%73.0%76.3%
kintone1.8%27.0%23.7%

ChatGPTでのkintoneは1.8%で、GeminiとClaudeの約4分の1以下です。ただしGeminiの有効日数が2日しかなく、1日の回答が違えば数字が動く規模なので、Geminiの27.0%は参考値として扱ってください。それでも、ClaudeとChatGPTという有効日数の多い側だけを比べても、23.7%と1.8%という差は残ります。

対照実験:出自がそろったカテゴリでは、AI間の差は小さい

「どのカテゴリでもChatGPTは別物」というわけではありません。クラウド会計カテゴリ(2026年10月22日更新、3ブランド、有効日数はChatGPT 4日・Gemini 3日・Claude 8日)は、freee・マネーフォワード・弥生会計がすべて国産です。

ブランドChatGPTGeminiClaudeAI間の最大差
freee34.7%36.1%39.3%4.6pt
マネーフォワード31.6%36.1%31.8%4.5pt
弥生会計33.6%27.7%28.9%5.9pt

3社ともAI間の差は6ポイント未満です。これに対し、ホテル予約のExpediaは14.9ポイント(11.7%〜26.6%)、格安SIMのahamoは14.0ポイント(1.4%〜15.4%)、CRMのkintoneは25.2ポイント(1.8%〜27.0%)の差がありました。AIごとの差が大きく開くのは、出自や性格の異なるブランドが同じカテゴリに混在しているときという傾向が、今回の4カテゴリでは見えます。

これらのデータから言えないこと

  • 「なぜChatGPTだけ違うのか」は分かりません:今回は結果の傾向を整理しただけで、原因(学習データか、検索機能の使い方か、質問文の影響か)は特定できていません。「ChatGPTは海外ブランドを好む」と一般化することもできません。格安SIMでは、海外かどうかではなくキャリア系かどうかで差が出ていました
  • 観測期間が短く、有効日数も少ない:ChatGPTは4日、Geminiは2〜3日、Claudeは7〜8日分の平均です。特にGeminiは数日の偏りで動きます
  • 計測ブランド以外は含まれません:ホテル予約は6ブランド、CRMは4ブランドの中での取り分です。「未計測」は「AIが挙げていない」という意味ではありません
  • 公開ランキングの順位は品質評価ではありません:AIの回答に登場した割合の観測値です

自社カテゴリで試す4ステップ

  1. 公開ランキングで自社カテゴリのAI別の表を開く:ブランド数・有効日数・更新日も一緒に控えます(AIOPulseの業界別公開ランキングから探せます)。自社カテゴリがなければ、手動で5問を3つのAIに投げて表を自作します
  2. ブランドを2グループに分ける:顧客が選ぶときの基準になる軸(海外/国内、大手系/独立系、ネット専業/対面など)で分けます。分け方をメモしておき、別の軸でも試します
  3. AIごとにグループ合計を出す:表計算ソフトで足すだけです。目安として、AI間で20ポイント以上差が出たら、層ごとの偏りが強いと見ます(20ポイントは筆者の経験的な目安で、統計的な基準ではありません)
  4. 自社の層が薄いAIの回答原文を読む:どのブランドが、どんな条件で挙がっているかを確認します。そのAIを顧客が実際に使っているかを確かめたうえで、改善する順番を決めます

ステップ3で差が小さければ、そのカテゴリではAI間の違いを気にしすぎる必要はなく、ブランド別の順位に集中できます。会計ソフトのように出自がそろったカテゴリは、この場合に当たります。

この集計を続けるなら:ツールの使い分け

1回きりなら公開ランキングと手作業で足ります。ただし、グループ合計を毎週追いたい場合は、AI別・ブランド別の時系列が手元に必要です。ここで、国内で比較対象になる2つのツールを整理します(ミエルカGEOの情報は、AIOPulseの比較ページに掲載された2026年9月13日時点の公式サイト基準です)。

項目AIOPulseミエルカGEO
提供元Marketing Cloud Lab(当サイト運営元)Faber Company
対応AIChatGPT / Gemini / ClaudeChatGPT / Gemini(加えてGoogle AI Overviews・AIモードの引用状況)
AI Overviews引用トラッキング非対応対応
AI検索流入のCV分析非対応対応
トピック網羅度チェック非対応対応
月額(基本)19,800円/サイト・月(税抜、5キーワード込み、追加は1キーワード月5,000円)49,800円〜
無料トライアルなし(申込時に初月分をカード決済)あり(申込フォーム)
初期費用なしあり(金額非公開)
サポートメール専任担当+コンサル
契約期間月単位、いつでも解約可(日割り返金なし)公式サイトに記載なし

AIOPulseの料金は、公式サイトの料金欄(2026年10月23日確認)の記載に基づきます。1キーワードにつき5つの質問を3つのAIに毎日送る仕様で、言及シェアの時系列グラフとLLM別の内訳、競合ブランド比較、回答原文の閲覧が含まれます。本記事のようなAI別の層の偏りを追う用途には、LLM別内訳があることが合っています。

一方で、次の場合はミエルカGEOのほうが適しています。

  • Googleの検索結果に出るAI要約(AI Overviews)での引用状況まで見たい
  • AI検索経由のコンバージョンや、記事のトピック網羅度まで分析したい
  • 専任担当やコンサルによる伴走が欲しい

また、ミエルカGEOの対応AIは比較ページ上ではChatGPTとGeminiです。今回の4カテゴリではGeminiとClaudeが近い傾向を示すことが多く、ChatGPTとGeminiの2つでも「ChatGPTだけ違う」という偏りは検出できます。ただしClaudeは有効日数が7〜8日と、ChatGPT(4日)やGemini(2〜3日)より多く、ノイズの少ない基準点になります。Claudeの計測可否は契約前に確認してください。両ツールの項目別の突き合わせはAIOPulseとミエルカGEOの比較ページにあります。料金や無料トライアルの条件は改定されることがあるため、契約前に各社の公式情報をご確認ください(本記事の記載は2026年10月23日時点)。

※AIOPulseは、当サイトの運営元であるMarketing Cloud Labが開発・提供するツールです。本記事の実データの出典にも使用しています。比較の公平性のため競合ツールを併記し、AIOPulseが非対応の機能も明記していますが、この点をご承知おきください。詳しくは運営者情報および広告掲載方針をご確認ください。

よくある質問

Q. グループの分け方次第で結論が変わりませんか?

変わります。だからこそ、分け方を明記し、複数の軸で試してください。軸を変えても同じAIで同じ偏りが出るなら、その偏りは信頼しやすくなります。軸ごとにバラバラな結論になるなら、そのカテゴリでは出自による偏りは強くないと判断できます。

Q. ChatGPTで自社の層が弱いなら、ChatGPT対策を優先すべきですか?

一律には言えません。まず顧客が実際にそのAIで調べているか、回答原文で自社がどう扱われているかを確認してください。顧客がほとんど使っていないAIの数字を埋めても、売上にはつながりません。

Q. 計測ブランドが3〜4社しかないカテゴリでも、この集計は使えますか?

グループ内のブランドが1社だけになると、グループ合計はブランド単体の数字と同じになります(今回のCRMのkintoneがそうです)。計測ブランドが少ないほど、1日の回答の偏りが合計に直接出るため、有効日数を必ず併記してください。

Q. 自社カテゴリが公開ランキングにない場合はどうすればよいですか?

競合を含む5〜6社を表にして、条件付き・比較形・課題形を混ぜた質問を3つのAIに投げ、どのブランドが何回挙がったかを記録してください。同じ質問を数日繰り返すと、AIごとの偏りの有無を体感できます。

この記事の執筆・検証

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AIpedia編集部

AIpedia編集部は、AIツールの調査・比較・検証を専門とするチームです。紹介するツールは実際にアカウントを作成して操作し、料金体系・主要機能・使用感を確認した上で執筆しています。記事は定期的に見直し、情報の更新に努めています。