マーケティング| AIpedia編集部

AI検索の「1位」は3つのAIの平均で決めてよいのか|ChatGPTを外すと首位が入れ替わる業界は48業界中19【2026年10月実データ】

AI言及シェアの「全体1位」は、ChatGPT・Gemini・Claudeの単純平均です。48業界で1つずつAIを外して平均し直すと、首位が変わらない業界は21、ChatGPTを外すと入れ替わる業界は19ありました。平均で10ポイント以上離れていても7業界は崩れます。自社の「1位」「2位」がどのAIに支えられているかを確かめる手順を、公開実データで解説します。

「AI検索のランキングで自社が1位だった」「競合に10ポイント差をつけられている」——ChatGPT・Gemini・Claudeでの言及シェアを見始めたマーケターが、最初に見るのは「全体」の順位です。ところが、この「全体1位」は、3つのAIの数字を単純に平均した結果にすぎません。1つのAIが極端な数字を出していれば、平均はそのAIに引きずられます。

本記事では、AIOPulseが公開している業界別ランキングの全ページを集計し、「全体1位は、どれか1つのAIを外しても1位のままか」を48業界で確かめました。結論を先に書くと、首位が変わらない業界は21、ChatGPTを外すと入れ替わる業界は19です。さらに、全体で10ポイント以上離れていても、7業界はChatGPTを外すだけで首位が替わります。

なお、AIOPulseは当サイトの運営元であるMarketing Cloud Labが開発・提供するツールで、本記事のデータ出典でもあります。この点を踏まえ、後半では競合のミエルカGEOとの使い分けも、AIOPulseが不利になる点を含めて整理します。AIO対策そのものの基礎はAIO対策の基礎解説に譲り、ここでは「順位の読み方」に絞ります。

「全体」は3つのAIの単純平均

公開ランキングの「全体」の数字が何なのかを、まず確認しました。各業界ページの「全体」シェアと、同じページにあるChatGPT・Gemini・Claude別のシェアを突き合わせると、集計した246ブランド(48業界)すべてで、全体の数字が3つのAIの単純平均と一致しました(誤差は四捨五入の範囲内の0.3ポイント以内)。重み付けはなく、Claudeが1票、ChatGPTが1票、Geminiが1票です。

単純平均には、次の性質があります。

  • 1つのAIが「80%」のような極端な値を出すと、他の2つが20%台でも、平均は押し上げられる
  • どのAIでも1位でないブランドが、平均では1位になることがある

後者は実際に起きています。格安SIMでは、全体1位のIIJmio(18.6%)は、ChatGPTでは楽天モバイル(30.4%)、Geminiではmineo(19.8%)、Claudeではpovo(15.9%)がそれぞれ1位で、3つのAIのどれでも1位ではありません。ウォーターサーバーも同様で、全体1位のフレシャス(21.6%)は、ChatGPTではアクアクララ、Geminiではプレミアムウォーター、Claudeではアクアクララが1位です。「全体1位」は、特定のAIが実際に出した答えではなく、平均の産物である場合があります。

調べ方:1つずつAIを外して、平均し直す

手順は単純です。業界ごとに、ChatGPTを外してGemini・Claudeの2つで平均し、次にGeminiを外し、最後にClaudeを外します。3通りすべてで全体1位と同じブランドが1位のままなら「堅牢な首位」、1通りでも入れ替わる、または同率になれば「崩れる首位」と呼びます。この呼び方と判定基準は、本記事のために私たちが決めたもので、一般的な指標ではありません。

対象は、AIOPulseの公開ランキングの56業界・252ブランド(最終更新は業界により2026年10月25日〜27日)のうち、次の8業界を除いた48業界・246ブランドです。

  • 各AIのシェア合計が100%にならない4業界(ダイエット、債務整理、リノベーション、AI検索モニタリング。計測できた回答が少なく、平均の意味が変わるため)
  • 同じ市場を別の定義で重複して計測している4組の片方(証券・投資、転職、プログラミングスクール、英語学習)

各ページの集計期間は8〜9日で、値のある日数はChatGPTが4〜5日、Geminiが2〜3日、Claudeが8〜9日でした。ChatGPTとGeminiは現在2日に1回の取得で、Claudeは原則毎日です。日数が少ないAIほど、数日の偏りが数字に出やすい点は、後で触れる限界にも関わります。

結果1:全AIで1位なのは13業界、堅牢な首位は21業界

48業界で、全体1位のブランドが3つのAIのうち何個で(同率含め)1位かを数えると、次のとおりです。

全体1位が1位のAIの数業界数
3つすべて13
2つ26
1つだけ7
0(どのAIでも1位でない)2

3つすべてで1位の13業界には、証券(楽天証券とSBI証券が全AIで同率〜0.5ポイント差)や賃貸(HOME'SとSUUMOが同率)のような、そもそも1位と2位がほぼ並んでいる業界も含まれます。差を考慮せず「一致している」と読むのは危険です。

次に、1つずつAIを外して判定した結果です。業界を「全体での1位と2位の差」で分けました。

1位と2位の差(全体)業界数3つのAIすべてで1位堅牢な首位
2ポイント未満1432
2〜5ポイント1225
5〜10ポイント312
10〜20ポイント1136
20ポイント以上846
合計481321

読み取れることは2つあります。1つ目は、2ポイント未満の14業界のうち堅牢なのは2業界だけという点で、差が小さい首位は、どのAIを外すかで結果が変わるということです。2つ目は、差が大きくても安心できないという点で、10ポイント以上の19業界のうち、堅牢なのは12業界、残る7業界は崩れます。

結果2:ChatGPTを外すと入れ替わる業界が19、Geminiは8、Claudeは6

崩れる27業界で、どのAIを外したときに首位が変わったかを数えました(1つの業界が複数に数えられることがあります)。

外したAI首位が入れ替わる(または同率になる)業界数
ChatGPT19
Gemini8
Claude6

首位を最も動かしやすいのはChatGPTでした。ただし、この結果が「ChatGPTの回答の癖」によるものか、「ChatGPTの値のある日数が4〜5日と、Claudeの8〜9日より少ない」ことによるものかは、今回のデータでは区別できません。原因は分からないが、ChatGPTの1列が順位を決めている業界が多いという事実だけは確かです。

結果3:平均で10ポイント以上離れていても崩れる7業界

全体で1位と2位が10ポイント以上離れているのに、ChatGPTを外すと入れ替わる7業界を示します。

業界全体1位(平均)2位との差ChatGPTGeminiClaudeChatGPTを外した1位
マンション購入SUUMO 44.2%17.7pt79.3%29.5%23.7%三井のリハウス 36.2%(SUUMO 26.6%)
航空券スカイスキャナー 52.4%29.0pt90.6%37.5%29.2%Trip.com 35.1%(スカイスキャナー 33.4%)
保険アフラック 34.2%11.8pt60.2%17.0%25.4%ライフネット生命 31.5%
MAPardot 48.7%10.5pt63.4%36.4%46.4%SATORI 46.8%(Pardot 41.4%)
オンライン学習Udemy 45.7%12.2pt62.7%41.9%32.5%Schoo 38.2%(Udemy 37.2%)
SaaS(総合)Slack 29.6%12.9pt49.2%22.9%16.6%マネーフォワード 20.9%(Slack 19.8%)
相続・離婚弁護士ドットコム 60.9%21.8pt100.0%8.3%74.3%ベリーベスト法律事務所 58.7%

数字は表の各列をそのまま読めます。たとえばマンション購入カテゴリの公開ランキングでは、SUUMOはChatGPTで79.3%を取る一方、GeminiとClaudeでは三井のリハウスが1位で、SUUMOは29.5%と23.7%です。全体の17.7ポイント差のうち、ChatGPTの1列が大半を作っています。航空券のスカイスキャナーも、ChatGPTを除くと2つのAIの平均でTrip.com(35.1%)が1.7ポイント上回ります。

相続・離婚は、計測ブランドが2社しかなく、ChatGPTの「100.0%」は2社のうち1社だけが回答に出たという意味です。AIの評価というより、少数サンプルの結果と読むのが妥当です。

対照的に、ChatGPTを含むどのAIを外しても動かない首位もあります。会社設立のfreeeは全体78.0%(AI別63.6〜90.0%)、パーソナルジムのRIZAPは54.4%(同40.4〜64.7%)、看護師転職のマイナビ看護師は45.1%(同37.2〜55.9%)で、どのAIでも過半数または首位に立っています。

これらのデータから言えないこと

  • 「堅牢な首位」は市場の真の首位ではありません:計測対象のブランドの中で、3つのAIの回答にどう登場したかという観測値です
  • 観測期間が短く、有効日数もAIによって違います:ChatGPTは4〜5日、Geminiは2〜3日の平均です。数日後には順位が入れ替わりうるため、本記事の数字は2026年10月27日前後の断面として読んでください
  • ChatGPTが動かしやすい理由は特定できません:モデルの癖か、日数の少なさか、質問文の影響かは、今回の集計では分かりません
  • 判定基準は私たちの設計です:「1つ外して平均し直す」「同率は崩れると扱う」は、本記事のために置いた基準です。基準を変えれば、21という数字も変わります
  • 計測外のブランドは含まれません:各業界は3〜8ブランドの中での取り分です

自社の「1位」「2位」を確かめる4ステップ

  1. 3つのAI別の表を用意する:公開ランキングに自社の業界があれば、全体・ChatGPT・Gemini・Claudeの4列を表計算ソフトに写します。業界がなければ、同じ質問を3つのAIに投げて、ブランドごとの登場回数を数えて表を自作します
  2. 全体1位が各AIで何位かを書き込む:「3つで1位」なら次のステップは軽くて済みます。「1つだけで1位」なら、そのAIに支えられた首位です
  3. 1列ずつ外して、残り2列を平均する:表計算ソフトのAVERAGE関数で足ります。3通りとも首位が同じなら堅牢、1通りでも変わるなら、変えたAIをメモします
  4. 崩れる場合は、そのAIの回答原文を読む:どの質問で、どのブランドが、どんな理由で挙がっているかを確認します。そのAIを顧客が実際に使っているかを確かめてから、改善する順番を決めます

立場ごとの読み方は次のとおりです。

  • 首位が堅牢な場合:攻めるよりも、数字が動いていないかを定期的に確認する段階です
  • 首位だが特定のAIに支えられている場合:そのAIで負け始めると、全体も入れ替わります。他のAIの回答を読み、薄い理由を探します
  • 2位以下の場合:首位が薄いAIが入口です。マンション購入の例なら、三井のリハウスはGeminiで34.1%、Claudeで38.2%と、すでに2つのAIで首位です。全体で2位であることと、AI別に見たときの強さは別物です

この確認を続けるなら:ツールの使い分け

1回きりなら、公開ランキングと表計算ソフトで足ります。ただし、「1つ外して平均し直す」確認を毎週続けたい場合は、AI別・ブランド別の時系列が手元に必要です。国内で比較対象になる2つのツールを整理します(ミエルカGEOの情報は、AIOPulseの比較ページに掲載された2026年9月13日時点の公式サイト基準です)。

項目AIOPulseミエルカGEO
提供元Marketing Cloud Lab(当サイト運営元)Faber Company
対応AIChatGPT / Gemini / ClaudeChatGPT / Gemini(加えてGoogle AI Overviews・AIモードの引用状況)
AI Overviews引用トラッキング非対応対応
AI検索流入のCV分析非対応対応
月額(基本)19,800円/サイト・月(税抜、5キーワード込み、追加は1キーワード月5,000円)49,800円〜
無料トライアルなし(申込時に初月分をカード決済)あり(申込フォーム)
初期費用なしあり(金額非公開)
サポートメール専任担当+コンサル
契約期間月単位、いつでも解約可(日割り返金なし)公式サイトに記載なし

AIOPulseの料金は、公式サイトの料金欄(2026年10月27日確認)の記載に基づきます。1キーワードにつき5つの質問を3つのAIに毎日送る仕様で、基本の5キーワードなら1日75回答です。本記事のように「1つ外して平均し直す」確認は3つのAIの列がそろっていることが前提のため、Claudeを含む3列が出るAIOPulseは、この用途には合っています。

一方で、次の場合はミエルカGEOのほうが適しています。

  • Googleの検索結果に出るAI要約(AI Overviews)での引用状況まで見たい
  • AI検索経由のコンバージョンまで分析したい
  • 専任担当やコンサルによる伴走が欲しい、または無料トライアルで試してから決めたい

ミエルカGEOの対応AIは、比較ページ上ではChatGPTとGeminiの2つです。2つの列でも「ChatGPTだけ違う」という偏りは確認できますが、2つが食い違ったときに決め手になる3つ目の列がありません。Claudeの計測可否は契約前に確認してください。両ツールの項目別の突き合わせはAIOPulseとミエルカGEOの比較ページにあります。料金や無料トライアルの条件は改定されることがあるため、契約前に各社の公式情報で最新条件をご確認ください(本記事の記載は2026年10月27日時点)。

※AIOPulseは、当サイトの運営元であるMarketing Cloud Labが開発・提供するツールです。本記事の実データの出典にも使用しています。比較の公平性のため競合ツールを併記し、AIOPulseが非対応の機能も明記していますが、この点をご承知おきください。詳しくは運営者情報および広告掲載方針をご確認ください。

よくある質問

Q. 全体1位が堅牢でなければ、その順位は信用できませんか?

信用できないわけではありません。「3つのAIの平均では1位だが、特定のAIの数字に支えられている」という性質が分かる、ということです。そのAIを顧客が主に使っているなら、その1位は実務上も意味を持ちます。

要は、平均の中身を読んだうえで判断するかどうかの違いです。

Q. 自社が2位なら、堅牢な首位の業界は諦めるべきですか?

一概には言えません。会社設立のfreeeのように、どのAIでも首位の業界は、AI別に見ても入り込む余地が小さいのは確かです。ただし、堅牢でも差が数ポイントの業界は、動く可能性があります。まず、首位が最も薄いAIがどれかを確認してください。

Q. 自社の業界の計測ブランドが2〜3社しかない場合も、この確認は使えますか?

使えますが、数字の振れが大きくなります。今回の相続・離婚(2ブランド)のChatGPT「100.0%」のように、1社が回答に出たかどうかだけで極端な値になります。計測ブランド数と有効日数を必ず併記してください。

Q. 業界の公開ランキングにない場合はどうすればよいですか?

競合を含む5〜6社を表にして、条件付き・比較形・課題形を混ぜた質問を3つのAIに投げ、どのブランドが何回挙がったかを記録してください。同じ質問を数日繰り返し、1列ずつ外した平均でも順位が変わらないかを確かめると、手作業でも本記事と同じ確認ができます。

この記事の執筆・検証

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AIpedia編集部

AIpedia編集部は、AIツールの調査・比較・検証を専門とするチームです。紹介するツールは実際にアカウントを作成して操作し、料金体系・主要機能・使用感を確認した上で執筆しています。記事は定期的に見直し、情報の更新に努めています。