比較| AIpedia編集部

AI合成データ生成ツール完全比較2026|Tonic.ai・Syntho・K2view・GenRocketなど10ツールの料金・無料プラン・選び方

AI合成データ生成ツールの主要10ツール(Tonic.ai・Syntho・K2view・GenRocketなど)を、料金・無料プランの有無・日本語対応・対応環境・長所と短所で比較しました。目的別のおすすめ、失敗しない選び方、よくある質問もまとめています(各社の公式サイトを2026年11月に確認)。

AI合成データ生成ツールを選ぶのは、見た目以上に難しいものです。データをゼロから作るツールもあれば、本番データを匿名化するツールもあります。SAP、医療、時系列データなど、特定の分野に特化したツールもあります。また、多くのベンダーは料金を公開していないため、コストを比べにくいのが実情です。

この記事では、Tonic.ai、Syntho、K2view、GenRocket、Synthesized、SAS Data Maker、DataCebo SDV、Betterdata、Rockfish Data、Aindoの10ツールを比較します。それぞれについて、料金、無料プラン、日本語対応、対応環境、強み、注意点を確認しています。比較には各ベンダーの公式サイトを使用し、2026年11月時点で確認しました。

ツールごとの解説のあとには、目的別のおすすめと選び方のポイントをまとめています。機能や料金は変わることがあるため、決める前に公式サイトで最新情報を確認してください。

AI合成データ生成ツールとは?できることと選ぶ前に知っておきたいこと

AI合成データ生成ツールは、実データと同じような振る舞いをする人工データを作成します。その際、実在の人物やレコードが露出することはありません。チームはこうしたデータを、ソフトウェアのテスト、AIモデルの学習、データのより安全な共有に利用しています。この記事で紹介するツールは、それぞれ仕組みが異なります。ルールやスキーマからデータを生成するものもあれば、本番データのパターンを学習するものもあり、機密性の高い値をマスキングするものもあります。

代表的な用途は次のとおりです。

  • 開発・QA用のテストデータ:Tonic.ai、Syntho、K2viewのように、テーブル間の関係を保ったまま現実に近いデータベースを作成します。
  • 本番データの匿名化:機密性の高い値をマスキングまたは置き換えて、開発環境などの下位環境でもデータを使えるようにします。
  • AI・機械学習の学習データ:DataCebo SDVやBetterdataのように、表形式、リレーショナル、時系列のデータを生成します。
  • AIエージェントの検証:SynthesizedやRockfish Dataのように、シナリオと想定される回答を用意します。
  • ドキュメントとテキストの墨消し:Tonic.aiやGenRocketのように、非構造化データに含まれる個人情報を検出します。
  • 医療・研究データ:Aindoのように、合成コホートや対照群を作成します。

選ぶ前に、無料プランや無料トライアルで実際に何が使えるのかを確認してください。Tonic.aiは、月あたり$5分のクレジットが付くFabricateの無料プランを掲載しています。一方、DataCebo SDV Communityは無料ですが、商用利用に制限があります。Rockfish Dataは申し込みによる無料利用を提供しています。その他の多くのツールは、見積もりやデモの依頼が必要です。

日本語対応の状況もツールによって異なります。日本語のデータや地域設定に対応しているツールもいくつかありますが、多くのウェブサイトやドキュメントは英語です。日本語の画面が必要なのか、日本語データを扱えることが必要なのか、あるいは両方が必要なのかを事前に確認してください。

最後に、料金体系、対応環境、企業規模を比べてください。従量課金のツールもあれば、年間ライセンスのツールや、機能ごとのプランを用意しているツールもあります。自社の環境内だけで動くものもあれば、クラウド型のものもあります。企業向けのツールは、契約期間が長く、導入作業も必要になることが多いです。

主要10ツールの比較表(料金・日本語対応・対応環境)

ツール主な料金プラン日本語対応対応環境
Tonic.aiFabricate: 無料プラン$0/月 / Plus $29/月一部対応Web(Tonic Cloud)、セルフホスト(Enterprise)、REST API、Python SDK(Textual)ほか
Syntho公式サイトを参照一部対応セルフホスト(オンプレミスまたは自社クラウド)、Docker Compose、Kubernetes(Helm)、REST API
K2view要問い合わせ記載なしオンプレミス、クラウド、ハイブリッド、セルフサービスポータルほか
GenRocket公式サイトを参照一部対応Web(マルチテナントホスティング)、シングルテナントホスティング(見積もり制)、API・CI/CD連携、セルフサービスポータル(G-Portal)
Synthesized要問い合わせ記載なしセルフホスト(Docker Compose、Kubernetes/Helm)、オフラインインストール、REST API、CI/CD連携(GitHub Actions、Azure DevOps)
SAS Data Maker公式の料金ページを参照一部対応Web(Microsoft Azure上で提供)、Microsoft Marketplace
DataCebo SDVSDV Enterprise Developer Plan $500/ユーザー/月に加え、サンプリングした合成データ100万セルあたり$1の従量課金記載なしPython SDK、自社環境(セルフホスト)、エアギャップ環境へのデプロイ(Team Plan、詳細は問い合わせ)
Betterdata要問い合わせ記載なしオンプレミス(エアギャップ対応)、クラウド(GCP、AWS、Azure、Alibaba Cloud)
Rockfish Data公式サイトを参照記載なし自社VPC、オンプレミス、Snowflake Native App、Python SDKほか
Aindo要問い合わせ記載なしWeb UI、REST API、自社クラウド / オンプレミス(シングルノードおよびマルチノード)、Pythonライブラリ(aindo.rdml、aindo-anonymize)

AIpediaでは、これらのツールはまだAIpediaに専用ページがないため、評価を付けていません。料金やプランは変更されることがあるため、2026年11月に各ベンダーの公式サイトで確認しました。申し込む前に、公式サイトで最新情報を確認してください。

10ツールの特徴・料金・向いている人

1. Tonic.ai

Tonic.aiは、開発、テスト、AI学習のためにデータを準備する3つの製品からなるスイートです。Tonic Fabricateは、AIエージェントとの会話を通じてゼロから合成データを作成します。Tonic Structuralは本番の構造化データを匿名化し、サブセット化します。Tonic Textualは、ドキュメントやテキスト内の機密情報を検出してマスキングします。

Fabricateのデータエージェントは、参照整合性を保ったデータベースに加え、PDFやDOCXファイルなどのドキュメントを生成できます。検証エージェントが出力を確認し、修正を促します。そのほかの機能として、モックAPIの生成やMCPによるアクセスにも対応しています。

  • 強み:1社で、新規の合成データ生成、本番データの匿名化、非構造化データの墨消しまでカバーしています。
  • 強み:Fabricateの無料プランとPlusプランは公開されています。公式ドキュメントによると、Structural Cloudには14日間の無料トライアルがあります。
  • 強み:MCP、Python SDK、REST APIなど、開発者向けの接続方法が多く用意されています。Textualは日本語テキストに含まれる機密情報を検出できます。
  • 注意点:上位プランのStructuralとTextualは見積もり制で、Textualの従量課金レートは料金ページに掲載されていません。
  • 注意点:Fabricateの利用料はトークン単位で課金されるため、費用は変動します。公式のFAQでは、1ターンあたり約$0.17〜$0.37というめやすが示されています。ウェブサイトと管理コンソールは英語のみです。

料金:Fabricate: 無料プラン$0/月(毎月$5分のクレジット、Tonic Cloud、クレジットカード登録不要) / Plus $29/月(毎月$25分のクレジット、それを超えた分は従量課金) / Enterprise要問い合わせ(Tonic Cloudまたは自社環境)。Structural: Professional要問い合わせ(ソースデータ最大10TB、10ユーザー、データソースの種類2つまで、Tonic Cloud) / Enterprise要問い合わせ(無制限、クラウドまたは自社環境)。年払いの契約料金は、プランと接続するソースデータの量によって決まります。Textual: 従量課金(1,000語あたりの定額料金。料金はページに記載なし。無料トライアルには語数の上限があります) / Enterprise要問い合わせ。

向いている人:公開されている無料プランで合成データ生成を試したいチーム、または1つのベンダーで生成、匿名化、テキストの墨消しをまとめて行いたいチーム。

2. Syntho

Synthoは、テストデータ管理と開発用データのための合成データ生成プラットフォームです。1つのプラットフォーム上で、合成データマスキング、ルールベースの合成データ、AI生成の合成データの3つの方法を組み合わせられます。2026年6月9日にMOSTLY AIのブランドを取得し、MOSTLY AIは "MOSTLY AI, powered by Syntho" として継続します。

Synthoは、Docker ComposeまたはKubernetes(Helm)を使って、自社環境に自己ホストします。Syntho AI Assistantは、会話を通じて生成方法の選択やビジネスルールの作成を支援できます。

  • 強み:マスキング、ルールベースの生成、AI生成を、用途に応じて組み合わせられます。
  • 強み:料金は機能ベースで、生成件数やデータベース数に応じた従量課金はありません。
  • 強み:自社環境にデプロイするため、本番データをベンダーに渡す必要がありません。住所など多くのモックデータ生成機能が日本語ロケールに対応しています。
  • 注意点:すべてのプランが要問い合わせです。セルフホスト型のため、Linuxサーバー(最小8 vCPU、32GBメモリ)を用意して運用する必要があります。
  • 注意点:AIアシスタントはデフォルトで無効になっており、インターネット接続が必要です。画面の対応言語の一覧は確認できず、公式サイトとドキュメントは英語です。

料金:Basic、Standard、Ultimateはいずれも要問い合わせ(Get a quote)です。料金は機能ベースで、生成件数やデータベース数に応じた従量課金はありません。DB接続数は、Basicが1〜5、Standardが6〜10、Ultimateが11〜15です(Ultimateの追加接続数は相談可能)。UI言語の切り替えとQAレポートはStandard以上で利用でき、自由記述の機密情報スキャナーはUltimateのみです。導入パッケージ(Small、Medium、Large)とサポートが含まれます。

向いている人:データを自社環境に保持したいチームで、テストデータ管理においてマスキング、ルールベース、AI生成データを組み合わせて使いたい場合に向いています。

3. K2view

K2viewは、データ統合とテストデータ管理の基盤を提供しており、その合成データツールはその一部です。顧客、口座、注文などのビジネスエンティティ単位でデータを整理します。これにより、関係性を保ったまま、複数のシステムにまたがってデータを生成し配布できます。

AI生成、ルールベース生成、データクローン、データマスキングの4つの方法を組み合わせています。Agentic TDMでは、データエージェントがテストケースを読み取り、必要なデータを判断し、下流の環境への生成と配布を自動化します。

  • 強み:1つの製品でAI、ルール、クローン、マスキングを組み合わせられるため、テストシナリオごとに方法を選べます。
  • 強み:エンティティベースの設計により、複数のシステム間で一貫性を保ちやすくなっています。公式ページによると、別途ETLツールは不要です。
  • 強み:サブセット化、予約、エイジング、ロールバック、セルフサービスポータル、CI/CD連携も提供しています。公式サイトによると、QKS Groupの2026 SPARK Matrix(Data Masking、Tokenization、Synthetic Data)でLeaderに選ばれたとされています。
  • 注意点:料金は公開されておらず、製品ツアーの利用にはメール登録が必要です。
  • 注意点:サイトは英語のみです。日本語ページは404を返し、日本語UI、パートナー、日本拠点は確認できませんでした。

料金:要問い合わせ(公式サイトに料金ページはなく、/pricingは404を返します。デモ依頼から問い合わせできます。メール登録により、インタラクティブな製品ツアーを利用できます)。

向いている人:メインフレームやNoSQLを含む複数のシステムにまたがって一貫したテストデータが必要で、デモを中心とした営業プロセスに抵抗がない大企業。

4. GenRocket

GenRocketは、設計主導の合成テストデータプラットフォームです。本番データをコピーするのではなく、各テストの目的に合わせてデータを設計し生成します。750以上のデータジェネレーターを提供しており、公式サイトによると、Forbes Global 2000のうち50社以上で利用されています。

AI Orchestratorは、自然言語で書かれた要件を、G-Casesと呼ばれる実行可能なスクリプトに変換します。AIを使わないdeterministicモードと、内蔵のLLMを使うconversationalモードから選択できます。

  • 強み:本番データを使わず設計からデータを作成するため、本番データを外部に持ち出すリスクを避けられます。
  • 強み:deterministicモードにより、AIの利用が制限されている環境でもツールを使えます。ライセンスには、ユーザー数とlower環境のテストデータセットの無制限利用が含まれます。
  • 強み:公開されている事例では、大手日本の保険会社への導入が紹介されており、漢字とかな対応が追加費用なしで提供されています。
  • 注意点:料金は公開されておらず、最低20プロジェクトからの年間契約です。
  • 注意点:公式ページでは、データ形式の数の記載に一貫性がありません(「125+」「109」「110+」)。WebサイトとUIは英語のみです。

料金:テストデータプロジェクトごとの年間ライセンス(最低20プロジェクト。料金は見積もり制)。ユーザー数無制限、lower環境のテストデータセット無制限、20時間のオンボーディングを含みます。マルチテナントホスティングを含みます(シングルテナントは見積もり制)。X12 EDI Accelerator、Unstructured Data Accelerator、その他の追加サービスは見積もり制です。

向いている人:設計からテストデータを生成したく、年間ライセンスを約束できる大規模なQA・テストデータチーム。

5. Synthesized

Synthesizedは、マスキング、サブセット化、合成データ生成を行うテストデータ管理プラットフォームです。SAP、各種データベース、ドキュメントに対応しており、自社環境で動作します。Test Data Agentは一般提供されており、AIエージェントを検証するためのビジネスデータとシステム状態を準備します。

ビジネスシナリオを記述すると、エージェントが必要なレコードと関係性を導き出します。通常、例外、障害、敵対的なケースのデータを準備します。評価(スコアリング)は既存の評価ツールに任せます。

  • 強み:SAPのテストデータ向けに特化したパッケージがあり、S/4HANAへの移行やアップグレードのテストに適しています。
  • 強み:非本番用のコピーは無制限で、従量課金やトークン課金はありません。自社環境で動作し、本番データを外部に送信しません。
  • 強み:SAP Store、AWS Marketplace、Google Cloud Marketplaceから購入できます。Tricentis ToscaやUiPath Test Suiteとも連携できます。
  • 注意点:価格は公開されておらず、公開されているのはパッケージの構成のみです。公開されている料金はSAP向けのもので、SAP以外の業務アプリケーション向けの料金は公開ページでは確認できません。
  • 注意点:公式サイトとドキュメントは英語で、日本語対応についての記載はありません。

料金:SAP向けの年間サブスクリプションパッケージは4種類です(すべて要問い合わせ)。Starter(本番データ500GB、ソース1つ、12か月)/ Growth(3TB、ソース3つ)/ Enterprise(10TB、ソース10つ、プレミアムサポート)/ Scale(30TB、ソース20個、プレミアムサポート)。Starter以外はすべて36か月契約で、年払いです。30分のヘルスチェックは無料で、お客様自身のデータによる10日間の検証は、事前に合意した固定料金です。SAP Store、AWS Marketplace、Google Cloud Marketplaceからも購入できます。

向いている人:SAPのテストデータを準備する企業や、AIエージェントの検証に管理された環境が必要なチームに向いています。

6. SAS Data Maker

SAS Data Makerは、SASが提供するローコード/ノーコードの合成データ生成プラットフォームです。SASが2024年11月12日に主要なソフトウェア資産を取得したHazyの合成データ技術を組み込んでいます。実データの統計的、リレーショナル、時間的な特徴を再現する合成データを作成します。

複数テーブルや時系列データ、差分プライバシーに対応しています。自動化された視覚的な統計指標により、生成データの品質とプライバシーを評価できます。2025年11月24日付のリリースによると、プライベートプレビューを経てMicrosoft Marketplaceでの提供が始まりました。

  • 強み:コードを書かずにGUIで合成データを作成でき、品質を視覚的に確認できます。
  • 強み:差分プライバシー、リネージ、監査ログなど、企業データに適した機能があります。
  • 強み:SASには日本語の公式サイトがあります。公式リリースによると、プレビュー参加者のクレジットスコアリングモデルで精度が28%向上したと報告されています。
  • 注意点:SASの製品ページには価格が掲載されておらず、Marketplaceの掲載ページも確認できませんでした。提供経路として記載されているのは、Microsoft Marketplaceを通じたMicrosoft Azureのみです。
  • 注意点:日本語の製品ページには、提供前のプレビュー時点の内容がまだ表示されています。製品画面の日本語対応は確認できませんでした。

料金:公式ページでご確認ください(SASの製品ページには価格が掲載されていません。購入はMicrosoft Marketplaceを通じて行うよう案内されていますが、Marketplaceの掲載ページを自動で取得できず、価格は確認できませんでした)。最新の料金と機能は公式サイトでご確認ください。

向いている人:Microsoft Azureを利用している組織で、複数テーブルや時系列の合成データを、品質チェック機能付きのノーコードで扱いたい場合に向いています。

7. DataCebo SDV

DataCebo SDVは、広く使われているPython向け合成データライブラリSDV(Synthetic Data Vault)の開発元であるDataCeboが提供しています。複数テーブルからなる企業のデータベースから生成リレーショナルモデル(GRM)を構築し、それを使って合成データベースを作成します。公式サイトによると、ダウンロード数は1,800万を超えています。

SDV Communityは無料で、SDV Enterpriseは自社環境にデプロイするSDKです。生成データの品質は、オープンソースのSDMetricsで確認できます。

  • 強み:無料のSDV Communityで、合成データの基本を自分で試せます。
  • 強み:Developer Planの料金が公開されており、従量課金に月額の上限を設定できます。
  • 強み:複数テーブル間の関係性やビジネスルールの維持に強みがあります。公開されている事例にはING BelgiumやMAPFREがあります。
  • 注意点:Communityは商用利用が制限されるBusiness Source Licenseの下で提供されており、扱えるのは3テーブル以下・深さ1までの単純な構成のみです。
  • 注意点:Developer PlanにはSDV Enterpriseサーバーへのネットワーク接続が必要です。Python SDKを前提としており、GUIでの操作については記載がありません。日本語対応についての記載もありません。

料金:SDV Communityは無料です(Business Source Licenseのため商用利用は制限され、3テーブル以下・深さ1までの単純なデータベース向け)/ SDV Enterprise Developer Planは$500/ユーザー/月に加え、生成された合成データのサンプリング100万セルあたり$1の従量課金です(月額の上限は自分で設定できます。無料トライアルは申し込み制です)/ Team Planは要問い合わせ(サンプリング量に対する従量課金はなく、エアギャップ環境へのデプロイについても相談可能です)/ 追加バンドル(AI Connectors、Constraint Augmented Generation、Differential Privacy、Targeted Sampling、XSynthesizers)は、Developer Planでバンドルごとに$250/ユーザー/月です。

向いている人:合成の複数テーブルデータベースが必要で、公開された料金を重視するPythonベースのデータチームに向いています。

8. Betterdata

Betterdataは、2021年に設立されたシンガポールの企業BetterData Pte Ltdが提供する合成データプラットフォームです。表形式、リレーショナル、時系列のデータを、個人を特定できない形で合成します。用途として、AIや機械学習の開発、システムテスト、組織間でのデータ共有などがあります。

データ量に応じて、複数の独自モデルから選択します。これには表形式基盤モデル(TFM)、GAN、LLMが含まれます。自然言語のプロンプトから合成データを作成できるプロンプトベースのモデルもあります。

  • 強み:データ量に応じて、事前学習済みモデル、ファインチューニング、フルトレーニングから選べるため、少ないデータでも利用できます。
  • 強み:プロンプトベースのモデルにより、エンジニア以外でも使いやすくなっています。差分プライバシー、PIIの編集、品質とプライバシーの保証レポートも提供しています。
  • 強み:デプロイ先は、エアギャップのオンプレミスからGCP、AWS、Azure、Alibaba Cloudまで幅広く選べます。事例には米国国土安全保障省や鹿島建設があります。
  • 注意点:価格は公開されていません。公式のFAQによると、LLMなどの大規模モデルにはGPUが必要です。
  • 注意点:日本語UIや日本語データへの対応についての記載はありません。対応するファイル形式は、製品ページとFAQで記載内容が異なります。

料金:要問い合わせ(公式サイトには料金ページがなく、/pricingは404を返します。Contact SalesまたはTry Demoからお問い合わせください)。

向いている人:エアギャップ環境を含む柔軟なデプロイが必要なチーム、または元データが限られており、複数のモデル手法から選びたいチームに向いています。

9. Rockfish Data

Rockfish Dataは、Carnegie Mellon Universityの研究をもとに2022年6月に設立された合成データ企業です。ネットワークのテレメトリ、デバイスのメトリクス、トランザクション、イベントストリームなど、時系列および表形式の業務データに注力しています。このデータは、MLモデルの学習とテストや、AIエージェントの評価に使われています。

このプラットフォームには4つのモジュールがあります。DataFuelは本番サンプルから学習し、SchemaFuelはスキーマや説明からデータを生成します。Scenario Studioは異常値や希少なイベントを注入し、AgentFuelはAIエージェントの評価用に質問と想定回答を作成します。

  • 強み:時系列データとテレメトリデータに特化しており、希少な障害や異常を意図的に注入できます。
  • 強み:データと一緒に、AIエージェント評価用の質問と正解を作成できます。
  • 強み:自社のVPC、オンプレミス、またはSnowflake Native Appとして動作するため、元データを自社環境内に保持できます。無料アクセスを申し込めます。
  • 注意点:料金は公開されておらず、日本語対応についても記載がありません。公式サイトとドキュメントは英語のみです。
  • 注意点:ドキュメントや画像は合成しないため、利用目的に合うかを先に確認してください。

料金:料金は非公開です(/pricingは404を返します)/ 公式FAQによると、プラットフォームへの無料アクセスがあります(公式サイトのフォームから申し込むと、チーム用のアクセスキーが発行されます)/ デモを依頼してお問い合わせください。

向いている人:テレメトリやトランザクションの時系列データを扱うチームで、障害シナリオのテストやAIエージェントの評価を行いたい方、まずは無料アクセスで試したい方。

10. Aindo

Aindoは、イタリアのトリエステに拠点を置くAindo SpAが提供する合成データプラットフォームです。生成AIを使い、個人情報を含まず、現実に近い合成データを作成します。現在は医療とライフサイエンスに注力しています。

主な用途は、合成コホートによるリアルワールドエビデンス、臨床試験の外部対照群、公衆衛生の計画です。生成方式は、完全合成、半合成、匿名化の3種類があります。

  • 強み:医療とライフサイエンスの用途に特化した機能と導入事例があります。
  • 強み:半合成では、元データのどの列を残すかを選び、忠実性とプライバシーのバランスを調整できます。類似性スコアとプライバシースコアで結果を評価できます。
  • 強み:自社クラウドまたはオンプレミスに導入でき、Europrivacyの認証とISO 27001を取得しています。REST APIとPythonライブラリも提供しています。
  • 注意点:料金は公開されていません。公開情報は医療と公共部門が中心のため、他の業界で使う場合は個別に確認が必要です。
  • 注意点:サイトは英語とイタリア語のみです。日本語対応や日本の法規制への準拠は記載がなく、コンプライアンスの説明はGDPRやEHDSなどの欧州の枠組みが中心です。

料金:要問い合わせ(公式サイトに料金ページはありません。/pricingは404を返します。Contact usまたはRequest a demoからご連絡ください)。

向いている人:合成コホートや外部対照群が必要な医療・製薬の組織、特に欧州の組織。日本の医療データを使う場合は、最終的な判断を有資格の専門家と確認してください。

目的別のおすすめ

目的おすすめ理由
無料プランや無料トライアルから始めるTonic.ai, DataCebo SDVTonic Fabricateには月$5分のクレジットが付く無料プランがあり、SDV Communityは無料ですが商用利用に制限があります。
時系列データを無料アクセスで試すRockfish Data公式FAQによると、フォームからの申し込みで無料アクセスを利用できます。
日本語データを扱うTonic.ai, GenRocketTonic Textualは日本語テキスト内の機微情報を検出します。GenRocketには漢字とかなに対応した導入事例があります。
営業に連絡する前に料金を知りたいTonic.ai, DataCebo SDVどちらも料金を公開しており、Plusは$29/月、SDV Developer Planは$500/ユーザー/月です。
データを自社環境に置きたいSyntho, Synthesizedどちらもセルフホスト型に対応しており、Synthoはお客様のデータにアクセスしないと明記しています。
複数のシステムにまたがってテストデータを作りたいK2view, GenRocketK2viewはシステム横断でビジネスエンティティのモデルを使い、GenRocketは750以上のジェネレーターとCI/CD連携を提供しています。
SAPのテストデータやAIエージェントの検証を行いたいSynthesizedSAP専用パッケージと、一般提供されているTest Data Agentを提供しています。
医療・製薬分野の研究を行いたいAindo半合成生成により、合成コホートと外部対照群を提供しています。

ここで紹介したツールの多くは見積もりが必要なため、料金と適合性はデモまたはトライアルで確認するのがおすすめです。最新の料金と機能は、各公式サイトでご確認ください。

失敗しない選び方のポイント

無料プランやトライアルで何が使えるかを確認する

無料の範囲はツールによって大きく異なります。Tonic.aiはFabricateの無料プランとして月$5分のクレジットを掲げており、Structural Cloudには14日間の無料トライアルがあります。DataCebo SDV Communityは無料ですが、商用利用に制限があり、扱えるテーブルは最大3つまでです。

Rockfish Dataは、申し込みによる無料アクセスを提供しています。ほかの多くはデモor見積もりが必要なため、本格導入の前に自社のデータ構造で試してください。

利用方法に合った料金体系を選ぶ

料金体系はツールごとに異なります。Tonic.ai FabricateとDataCebo SDVには従量課金の要素があります。一方、Synthoは生成量による従量課金がないと明記しています。GenRocketは、テストデータプロジェクトごとの年間ライセンスで、最低20プロジェクトからとなっています。

Synthesizedは、本番データの量とソースに基づく年払いのパッケージを提供しています。まず想定される利用量を見積もり、それぞれの料金体系が規模に応じてどう変わるかを比較してください。

必要な日本語対応の範囲を決める

このグループでは日本語対応は限定的です。Tonic.aiは日本語テキスト内の機微情報を検出でき、Synthoは多くのモックジェネレーターで日本語ロケールに対応しています。GenRocketには日本の保険に関する導入事例があります。

ほとんどのWebサイトとドキュメントは英語です。日本語データを扱う必要があるのか、日本語のインターフェースや国内のサポートが必要なのかを切り分けて考えてください。

企業規模と営業の進め方で選ぶ

小規模なチームが始める場合は、公開料金のあるTonic.aiやDataCebo SDVが向いています。一方、デモをベースに営業するK2viewやSynthesizedなどは企業向けです。企業向けのツールは契約期間が長くなる場合があり、Synthesizedはほとんどのパッケージで36か月の契約期間があります。

ツールを運用する担当者も考えておきましょう。Synthoのようなセルフホスト型のツールでは、サーバーの準備と運用が必要です。

対応環境とデータへの適合性を確認する

対応環境はツールごとに異なります。SAS Data MakerはMicrosoft MarketplaceからMicrosoft Azure上で提供されており、DataCebo SDVはPython SDKです。Rockfish DataはSnowflake Native Appを提供しています。Betterdataはエアギャップ環境のオンプレミスと複数のクラウドに対応しています。

データの種類も重要です。Rockfish Dataは時系列データと表形式データを対象とし、Aindoは医療に注力しています。ツールが自社のデータ種類と業界に対応しているかを確認してください。

よくある質問

Q. 無料プランや無料で利用できるツールはどれですか?

Tonic.aiには、月額$0/月で月$5分のクレジットが付くFabricate Freeプランがあります。DataCebo SDV Communityは無料ですが、商用利用はBusiness Source Licenseにより制限されています。Rockfish Dataは申請制で無料利用を提供しており、Tonic.ai Structural Cloudは公式ドキュメントによると14日間の無料トライアルがあります。

Q. 料金を公開しているツールはどれですか?

Tonic.aiはFabricate Plusを$29/月で掲載しており、月$25分のクレジットが付きます。DataCebo SDVはDeveloper Planを$500/ユーザー/月で掲載しており、サンプリングした合成データ100万セルあたり$1が加算されます。Developer Planでは追加バンドルが1バンドルあたり$250/ユーザー/月です。

Q. 料金を公開していないツールはどれですか?

Syntho、K2view、GenRocket、Synthesized、Betterdata、Rockfish Data、Aindoは、見積もり、デモ、または営業への問い合わせが必要です。SAS Data Makerは、SASの製品ページに価格が掲載されておらず、購入者をMicrosoft Marketplaceへ案内しています。最新の料金や機能は公式サイトで確認してください。

Q. これらのツールは日本語データで使えますか?

対応は良くても一部対応にとどまります。Tonic Textualは日本語テキスト内の機密情報を検出できます。Synthoのアドレスなどのモックデータ生成機能は日本語ロケールに対応しています。GenRocketには漢字とかなへの対応を扱ったケーススタディがあります。ほとんどの公式サイトやドキュメントは英語です。

Q. 自社の環境で動かせるツールはどれですか?

SynthoとSynthesizedは、Docker ComposeまたはKubernetesを使ったセルフホスト型です。DataCebo SDVは自社環境にデプロイするSDKです。Rockfish Dataは、自社のVPC、オンプレミス、またはSnowflake Native Appとして動作します。BetterdataとAindoもオンプレミスの選択肢を提供しており、K2viewはオンプレミス、クラウド、ハイブリッドに対応しています。

まとめ

10のツールは、基本的な機能の差よりも用途の違いが大きいです。Tonic.aiとDataCebo SDVは一部の料金を公開し、無料の選択肢もあります。一方、ほかの多くは見積もりかデモが必要です。日本語対応は限定的で、良くても一部対応にとどまり、公式サイトのほとんどは英語です。

適性はデータと環境によって決まります。Syntho、Synthesized、DataCebo SDVは自社環境での運用を重視しており、Synthesized、Rockfish Data、Aindoは特定の分野に焦点を当てています。決める前に、自社のデータで試してください。

  • 無料プランから始めたい場合 → Tonic.ai(Fabricateには月$5分のクレジットが付く無料プランがあります)
  • 複数のシステムにまたがるテストデータが必要な場合 → K2view(システムをまたいだエンティティベースの設計で、デモを基本とした営業プロセスです)
  • 医療または製薬分野のデータの場合 → Aindo(合成コホートと外部対照群に特化しています)

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AIpedia編集部

AIpedia編集部は、AIツールの調査・比較・検証を専門とするチームです。紹介するツールは実際にアカウントを作成して操作し、料金体系・主要機能・使用感を確認した上で執筆しています。記事は定期的に見直し、情報の更新に努めています。