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AIベクトルデータベース(RAG・セマンティック検索向け)完全比較2026|Pinecone・Weaviate・Qdrant・Zilliz Cloudなど10ツールの料金・無料プラン・選び方

AIベクトルデータベース(RAG・セマンティック検索向け)の主要10ツール(Pinecone・Weaviate・Qdrant・Zilliz Cloudなど)を、料金・無料プランの有無・日本語対応・対応環境・長所と短所で比較しました。目的別のおすすめ、失敗しない選び方、よくある質問もまとめています(各社の公式サイトを2026年11月に確認)。

AIのベクターデータベースを選ぶのは、見た目以上に難しいものです。ツールごとにアーキテクチャや料金体系が異なり、無料プランでどこまで使えるかも差があります。マネージドサービスもあれば、自分でホスティングできるオープンソースもあり、すでに運用しているデータベースや検索エンジンにベクター検索を追加できるものもあります。日本語で運用するチームの場合は、リージョンの提供状況やトークナイザーの対応状況も確認が必要な項目です。

この記事では、Pinecone、Weaviate、Qdrant、Zilliz Cloud、Vespa、MongoDB Vector Search、Elasticsearch、Redis、LanceDB、turbopufferの10種類のツールを比較します。それぞれについて、料金、無料プラン、日本語対応、対応環境、強み、注意点を確認しました。比較にあたっては、各ベンダーの公式サイトを使用し、2026年11月時点で確認しています。

個別の解説のあとには、目的別のおすすめと、失敗しない選び方のポイントを掲載しています。料金や機能は頻繁に変わるため、決める前に公式サイトで最新の料金と機能をご確認ください。

AIベクトルデータベース(RAG・セマンティック検索向け)とは?できることと選ぶ前に知っておきたいこと

AIのベクターデータベースは、テキストや画像などのデータを数値で表したエンベディングを保存します。完全一致のキーワードだけでなく、意味が近いデータを見つけられるのが特徴です。この記事で取り上げるツールの多くは、メタデータを保存して結果を絞り込めるほか、ベクター検索とキーワード検索(BM25)を1つのクエリで組み合わせられます。ツールによっては、ホスティング型のエンベディングモデル、リランキング、エージェント向けの機能も備えています。

  • セマンティック検索:言い回しが完全に一致しなくても、意味から文書を探します。
  • RAG:言語モデルが回答する前に、関連する文章を取り出して渡します。
  • レコメンデーション:ユーザーが閲覧したものに似たアイテムを表示します。
  • ハイブリッド検索:RRFなどを使って、キーワード検索とベクター検索の結果を統合します。
  • エージェント検索とメモリ:Pinecone AssistantやWeaviateのQuery Agentのように、AIエージェントが問い合わせできる保存先を提供します。

選ぶ前に、無料プランや無料トライアルで実際に何が使えるかを確認してください。Pineconeのスターターは、AWSのus-east-1に限定されています。Zilliz CloudのFreeとServerlessは、フランクフルトとオレゴンでのみ提供されています。Qdrantの無料クラスターは、1週間利用がないと停止されます。Vespaは$300分のトライアルクレジットを提供しており、turbopufferには無料プランがありません。

日本語対応は、ツールによって大きく異なります。日本語の公式サイトや東京リージョンを提供しているツールがある一方、ドキュメントで日本語のトークナイザーを案内しているツールもあります。Pineconeとturbopufferは、公式サイトに東京リージョンの記載がありません。また、ベクター検索だけでは使用するエンベディングモデルに依存するため、キーワード検索側で日本語の分かち書きができるかも確認しておきましょう。

最後に、規模と料金体系も考慮してください。プランには、月額の固定料金、従量課金、割り当てたリソースに対する時間単位の課金、最低利用額などがあります。最低額は、turbopufferのLaunchプランの$16/月から、Vespa Premiumの$20,000/月までと幅があります。セルフホスティングの選択肢も異なり、Weaviate、Qdrant、Vespaはオープンソース版を公開していますが、Pineconeのデータベースはセルフホスティングできません。

主要10ツールの比較表(料金・日本語対応・対応環境)

ツール主な料金プラン日本語対応対応環境
PineconeBuilder $20/月 / Standard最低利用料$50/月 / Enterprise最低利用料$500/月一部対応Web、API、Python SDK、TypeScript SDKなど
WeaviateFree $0/月 / Flex $45/月〜一部対応Web、API、Python SDK、TypeScript SDKなど
QdrantFree Tier無料 / 要問い合わせ一部対応Web、API、Python SDK、TypeScript SDKなど
Zilliz CloudFree $0 / Standard: Serverless $0/月〜、Dedicated $126/月〜。30日間の無料トライアルあり対応Web、API、Python SDK、TypeScript SDKなど
Vespa無料トライアル / Startup: vCPU $0.05/時間 / Cloud Basic: vCPU $0.10/時間一部対応Web、API、Python SDK、Java SDKなど
MongoDB Vector SearchMongoDB Atlas Free $0/時間 / Flex $0.011/時間〜 / Dedicated $0.08/時間〜対応Web、API、Python SDK、TypeScript SDKなど
Elasticsearch14日間の無料トライアル / Elasticsearch Serverless: Ingest $0.14/VCU時間〜、Search $0.09/VCU時間〜、Machine Learning $0.07/VCU時間〜対応Web、API、Python SDK、TypeScript SDKなど
RedisEssentials $0.007/時間〜 / Pro $0.014/時間〜一部対応Web、API、Python SDK、Go SDKなど
LanceDB要問い合わせ一部対応Web、API、Python SDK、TypeScript SDKなど
turbopufferLaunch: 最低利用料$16/月 / Scale: 最低利用料$256/月 / Enterprise: $4,096/月〜記載なしWeb、API、Python SDK、TypeScript SDKなど

AIpediaではこれらのツールの評価は行っていません。AIpediaにはまだ個別のページがないためです。料金やプランは変更されることがあるため、2026年11月時点で各ベンダーの公式サイトを確認しました。申し込む前に、公式サイトで最新の情報をご確認ください。

10ツールの特徴・料金・向いている人

1. Pinecone

Pineconeは、フルマネージドのサーバーレス型ベクターデータベースです。サーバーを構築・運用することなく、サーバーレスインデックスにエンベディングベクターとメタデータを保存できます。セマンティック検索、レコメンデーション、RAGの検索部分に使われています。2026年9月2日から一般提供されているドキュメントインデックスは、BM25による全文検索、デンスベクター、スパースベクターを1つのインデックスにまとめます。

  • 強み:無料のStarterプランから、定額の$20 Builderプラン、従量課金のStandardプランへと段階的に移行できます。ホスト型の埋め込みモデルとリランキングモデル、Pinecone Assistantを使うと、別途推論用のインフラを用意しなくてもRAGを構築できます。
  • 強み:ハイブリッド検索を1つのサービス内で構築できます。Pineconeは、SOC 2、GDPR、ISO 27001、HIPAAに対応しています(HIPAAアドオンはStandardで利用できます)。Enterpriseでは、BYOC、CMEK、監査ログ、SCIMが追加されます。
  • 強み:公式ドキュメントに、LangChain、LlamaIndex、Amazon Bedrockの連携ガイドがあります。
  • 注意点:サーバーレスインデックスには東京リージョンがありません。アジアで選べるのはAWS Singapore(ap-southeast-1)のみで、Starterの利用先はAWS us-east-1に限られます。全文検索(BM25)の対応言語リストには日本語が含まれていません。ホスト型モデルのllama-text-embed-v2は、日本語を含む26言語に対応しています。
  • 注意点:データベースを自前でホストすることはできません。ローカルエミュレーターのPinecone Localは2026年10月7日に提供が終了しており、自社環境で実行できるのはEnterpriseのBYOCに限られます。単価はクラウドやリージョンによって異なり、転送量(egress)は2026年9月1日から課金対象になったため、費用は事前に見積もっておくことをおすすめします。

料金:Starterは無料です(AWS us-east-1のみ、5インデックス、2GBのストレージ、月200万WUの書き込みと月100万RUの読み取り、月1GBの転送量、2ユーザー)。Builderは$20/月です(定額制で超過料金はなし。上限に達すると操作がブロックされます。プロジェクトあたり10インデックス、10GBのストレージ、月500万WUの書き込みと月200万RUの読み取り、すべてのリージョンを選択可能、カード払いのみ)。Standardの最低利用料金は$50/月で、それを超えた分は従量課金です。ストレージは$0.33/GB/月、書き込みは100万WUあたり$4〜$4.50、読み取りは100万RUあたり$16〜$18(クラウドやリージョンによって異なります)、転送量は$0.10/GB(月100GBまで含まれます)、オブジェクトストレージからのインポートは$0.25/GB、バックアップは$0.10/GB/月、HIPAAアドオンは$190/月です。Standardには3週間・$300分の無料トライアルが含まれます。Enterpriseの最低利用料金は$500/月です(書き込みは100万WUあたり$6〜$6.75、読み取りは100万RUあたり$24〜$27、99.95%の稓働率SLA、BYOC、Proサポートを含みます)。Standard以上の推論は、llama-text-embed-v2が100万トークンあたり$0.16、multilingual-e5-largeが100万トークンあたり$0.08、リランクが1,000リクエストあたり$2です。Standard以上のAssistantは、ストレージが$3/GB/月、入力が100万トークンあたり$8、出力が100万トークンあたり$15です。BYOCは要問い合わせです。

向いている人:サーバー運用を必要とせず、無料から有料へ明確に移行できるマネージドサービスを求めるチームです。東京リージョンがなくても問題なく、日本語ドキュメント向けに多言語埋め込みモデルを選べるプロジェクトに適しています。

2. Weaviate

Weaviateは、オブジェクト、ベクトル、転置インデックスを1つのシステムで扱うオープンソースのベクトルデータベースです。ベクトル検索とBM25によるキーワード検索を組み合わせたハイブリッド検索を標準で備えています。オープンソース版はDockerやKubernetesで自前ホストでき、マネージドサービスのWeaviate Cloudを利用することもできます。Weaviate Cloudでは、Weaviate EmbeddingsとQuery Agentも利用できます。

  • 強み:BSD-3-Clauseのオープンソース版は自前でホストでき、同じクライアントからWeaviate Cloudに接続できます。ハイブリッド検索、マルチテナンシー、RBACは、無料プランを含むすべてのプランで利用できます。
  • 強み:kagome_ja、gse、trigramなどの日本語トークナイザーが公式ドキュメントで扱われています。そのため、日本語のキーワード検索やハイブリッド検索を設定しやすくなっています。公式サイトには日本語のランディングページとクイックスタート(weaviate.io/ja)もあります。
  • 強み:ホスト型の埋め込みとQuery Agentを使うと、外部のAPIキーなしで、埋め込みからエージェント型の検索まで設定できます。公式クライアントは、Python、TypeScript、Go、Java、C#向けに用意されています。
  • 注意点:Weaviate Cloudのリージョン一覧は公開されていないため、東京が利用できるかどうかは事前に確認する必要があります。無料クラスターはAWS上にあり、FlexはGCPとAWSにまたがる7リージョンに限られます。日本語トークナイザーは既定では読み込まれず、環境変数で有効にする必要があります。
  • 注意点:料金は、ベクトルの次元数、ストレージ、バックアップによって変わります。単価は圧縮方式、クラウド、リージョンによって異なります。公式サイトでは、Transformation AgentとPersonalization Agentの提供終了が予定されていること、Engramは2026年12月31日に終了することが発表されています。

料金:Freeは$0/月です(永久無料、ユーザーごとに1クラスター、10万オブジェクト、1GBのメモリと10GBのディスク、コレクション1つとテナント3つまで、Embeddingsは1日2,000リクエスト、Query Agentは月1,000リクエスト、AWSのみ)。Flexは$45/月からです(従量課金、契約不要、共有クラスター、99.5%の稼働率SLA、ベクトルの次元数は100万あたり$0.00465から、ストレージは$0.12/GiBから、バックアップは$0.03036/GiBから)。Premiumは要問い合わせです(前払い契約、最低$400/月から)。Premium Sharedは、ベクトルの次元数が100万あたり$0.003875から、ストレージが$0.10/GiBから、99.9%の稼働率SLAです。Premium Dedicatedは、ベクトルの次元数が100万あたり$0.002718から、ストレージが$0.33/GiBから、99.95%の稼働率SLAです。Weaviate Embeddingsは、Snowflake Arctic-Embed-M-v1.5が100万トークンあたり$0.025、Snowflake Arctic-Embed-M-v2.0が100万トークンあたり$0.040、ModernVBERT colmodernvbertが100万トークンあたり$0.065です。Query Agentは$30/組織/月です(4,000リクエストまで含まれ、それを超えた分は従量課金です)。オープンソース版(Community Edition、BSD-3-Clause)は無料です。自前ホスト向けの有償サポートであるWeaviate Assuranceは、年額固定の料金で、要問い合わせです。

向いている人:オープンソースの選択肢と、その横にマネージドクラウドを置きたいチームです。日本語のキーワード検索やハイブリッド検索を重視し、リージョンの提供状況を事前に確認できる場合に適しています。

3. Qdrant

Qdrantは、オープンソース(Apache 2.0)のベクトル検索エンジンです。自前でホストできるほか、マネージドサービスのQdrant Cloudを利用したり、自社のKubernetes上でHybrid Cloudを実行したりできます。Private Cloudは、隔離された環境に対応しています。RAG、レコメンデーション、高度な検索に向けて、密ベクトル、疎ベクトル、マルチベクトル、量子化、ペイロードフィルタリングに対応しています。

  • 強み:Apache 2.0版は無料で自前ホストでき、Managed Cloud、Hybrid Cloud、Private Cloudから選べます。無料クラスター(0.5 vCPU、1GB RAM、4GBのディスク)は、クレジットカードなしで試せます。
  • 強み:検索機能が幅広く、疎ベクトル、マルチベクトル、全文インデックスでのBM25スコアリング(Qdrant 1.20、2026年10月22日リリース)、量子化に対応しています。そのため、ハイブリッド検索の構成を細かく調整できます。
  • 強み:公式ドキュメントによると、全文インデックス用の多言語トークナイザーは、vaporettoを使って日本語に対応しています。公式クライアントは、Python、JavaScript/TypeScript、Rust、Go、.NET、Java向けに用意されています。
  • 注意点:Standard Tierの単価は料金ページに掲載されていないため、料金計算ツールで見積もる必要があります。Qdrant Cloudのリージョン一覧は公開されていないため、東京リージョンがあるかどうかを確認してください。日本語の公式サイトはありません。
  • 注意点:EU以外のリージョンのクラスターでは、Cloud InferenceがUSで実行され、無料モデルはUSでのみホストされます。無料クラスターは、1週間使用されないと停止され、4週間後に削除されます。

料金:無料プラン(Free Tier)は無料で、ずっと無料です。クレジットカードは不要です。0.5 vCPU、1GB RAM、4GBディスク(768次元で約100万ベクトル)のシングルノードで、無料の推論モデルも利用できます。1週間使われないと停止され、4週間後に削除されます。Standard Tierは従量課金で、専用リソースを利用します。vCPU、メモリ、ディスク、バックアップ容量、有料推論モデルのトークンに対して時間単位で請求され、稼働率99.5%のSLAがあります。単価は料金ページに掲載されておらず、料金計算ツールで見積もるため、公式サイトで確認してください。Premium Tierは要問い合わせです(年間最低利用量のある確約契約、SSO、プライベートVPC接続、稼働率99.9%のSLA、マルチAZでは99.95%)。Hybrid CloudとPrivate Cloudも要問い合わせです。オープンソース版は無料(Apache 2.0)です。支払いはクレジットカードのほか、AWS、GCP、Azureのマーケットプレイスからも可能です。

向いている人:柔軟なデプロイとハイブリッド検索の細かな制御を求める、オープンソースエンジンを使いたいエンジニアリングチームです。Qdrant Cloudを選ぶ前に、リージョンと費用の見積もりを確認してください。

4. Zilliz Cloud

Zilliz Cloudは、オープンソースのベクトルデータベースMilvusの開発チームが構築したフルマネージドサービスです。Serverless、専用クラスター(Dedicated)、または自社のクラウドアカウント内で動作するBYOCから選べます。Milvusと同じSDKを使用し、セマンティック検索とRAGに対応しています。

  • 強み:専用クラスターとBYOCは、AWS、Google Cloud、Azureの東京リージョンで利用できます。日本語の公式サイトと日本語のドキュメントもあります。
  • 強み:オープンソースのMilvusとSDKを共有しているため、セルフホストのMilvusとマネージド版の間を移行しやすくなっています。無料プランまたは30日間のStandard無料トライアルから始められます。
  • 強み:全文検索(BM25)とハイブリッド検索に対応しています。linderaトークナイザーで日本語の全文検索に対応しており、Function機能で外部の埋め込みモデルやリランキングモデルを呼び出せます。
  • 注意点:無料プランとServerlessは、AWS eu-central-1(フランクフルト)とGCP us-west1(オレゴン)でのみ利用できます。データを東京に置くには、専用クラスター以上のプランが必要です。
  • 注意点:課金項目がCU、vCU、ストレージ、データ転送など多く、単価はプランとリージョンによって異なります。Vector Lakebaseはパブリックプレビューであり、Business CriticalとBYOCの価格は公開されていません。

料金:無料プランは$0です(5GBのストレージ、月あたり250万vCUを含み、最大5コレクション、コミュニティサポート)。Standard Serverlessは$0/月〜です(読み書きは$4/100万vCU、ストレージは$0.3/GB/月。AWS eu-central-1とGCP us-west1でのみ利用可能)。Standard Dedicatedは$126/月〜です(AWS us-east-1では$0.175/CU/時間、東京(AWS ap-northeast-1)では$0.209/CU/時間)。30日間の無料トライアルがあります。Enterprise Dedicatedは$197/月〜です(AWS us-east-1では$0.273/CU/時間、東京では$0.327/CU/時間。稼働率99.95%のSLA、SSO、監査ログ、プライベートエンドポイントを含みます)。Business CriticalとBYOCは要問い合わせです。専用クラスターのストレージは$0.025/GB/月で、データ転送は最初の100GBまで無料です。オープンソース版のMilvusは無料(Apache 2.0)です。最新の料金と機能は公式サイトで確認してください。

向いている人:Milvusをベースにしたマネージドサービスを求め、日本語のドキュメント、東京リージョン、または日本語の全文検索が必要なチームです。専用クラスター以上を利用できるチームや、セルフホストのMilvusとマネージドサービスの間を簡単に行き来したい人に向いています。

5. Vespa

Vespaは、オープンソース(Apache 2.0)の検索プラットフォームです。ベクトル検索、キーワード検索、構造化フィルタリング、ランキング、機械学習の推論を、1つの分散エンジンで実行します。テンソルをネイティブに扱えるため、1つのドキュメントに複数の埋め込みを持たせられます。マネージド版のVespa Cloudとしても提供されています。

  • 強み:検索、ランキング、推論が1つのエンジンにまとまっているため、別々のベクトルデータベース、全文検索エンジン、リランカーを組み合わせる必要がありません。多段階ランキングでONNXモデルやXGBoostモデルを実行でき、ColBERTやColPali系の検索にも対応しています。
  • 強み:Vespa Cloudには東京(AWS ap-northeast-1)の本番用ゾーンがあります。Lucene Linguisticsにより、日本語のアナライザーが標準で利用できます。
  • 強み:課金はクエリ数ではなく割り当てたリソースに基づき、単価も公開されています。Apache 2.0版は無料でセルフホストできます。
  • 注意点:標準の言語処理(OpenNLP)は日本語に対応していないため、日本語の全文検索にはLucene Linguisticsへの切り替えが必要です。日本語の公式サイトやドキュメントはありません。
  • 注意点:設定はservices.xmlとschemasを含むアプリケーションパッケージで管理されており、変更にはファイルの編集と再デプロイが必要です。Vespa Cloudで利用できるAzureゾーンは開発用のみです。マルチリージョンのフェイルオーバーとSSO/SAMLにはPremiumが必要で、最低料金は$20,000/月です。

料金:Vespa Cloudの無料トライアルでは、クレジットカードなしで$300分のクレジットが付与されます。クレジットを使い切るとクラスターは自動的に削除されます。スタートアップ向けのStartupは、vCPUが$0.05/時間、メモリが$0.005/GB/時間、ディスクが$0.0002/GB/時間、GPUが$0.03/GB/時間です(コミュニティサポートのみ、SLAなし)。Cloud Basicは、vCPUが$0.10/時間、メモリが$0.01/GB/時間、ディスクが$0.0004/GB/時間、GPUが$0.07/GB/時間です(翌営業日対応)。Cloud Professionalは、vCPUが$0.145/時間、メモリが$0.0145/GB/時間、ディスクが$0.0005/GB/時間、GPUが$0.10/GB/時間です(24時間365日のサポート、バックアップと災害復旧を含みます)。Premiumは個別見積もりで、最低料金は$20,000/月です。自社のクラウドアカウント内で動作するEnclaveは、Basicのvc vCPUが$0.08/時間、ProfessionalのvcvCPUが$0.12/時間などです。Enterpriseは、セルフホスト用の年間ライセンスで、要問い合わせです。オープンソース版は無料(Apache 2.0)です。割り当てた合計リソースに応じて、単価は最大50%下がります(Enclaveは83%)。

向いている人:1つのエンジンでカスタムのランキングと推論が必要な、大規模な検索やレコメンドのシステムを構築するエンジニア中心のチームです。日本語で素早くセットアップしたいチームには向いていません。

6. MongoDB Vector Search

MongoDB Vector Searchは、ドキュメントデータベースMongoDBに組み込まれたベクトル検索機能です。業務データ、メタデータ、埋め込みを同じドキュメントに保存し、$vectorSearchステージでクエリします。これにより、別のベクトルデータベースへデータを同期する必要がなくなります。公式ページでは、以前の用語である「Atlas Vector Search」も今も使われています。

  • 強み:データとベクトルが同じ場所にあり、日付、数値、文字列による事前フィルタリングを1つのクエリで行えます。$rankFusionと$scoreFusionにより、全文検索とのハイブリッド検索に対応しています。
  • 強み:無料のFreeクラスターまたは月額上限$30のFlexから始め、その後DedicatedやDedicatedのSearch Nodesに移行できます。AWS、Google Cloud、Azure、セルフマネージド版から選べます。
  • 強み:日本語の公式サイトとドキュメントがあります。専用のSearch Nodesは、AWSの東京と大阪で利用できます。全文検索には日本語アナライザー(lucene.kuromoji、lucene.japanese)が用意されています。
  • 注意点:ベクトル検索のインデックスはメモリ上に保持されるため、大規模なデータセットでは、専用のSearch Nodesの時間単位の費用を見込んだ計画が必要です。Freeクラスターで作成できる全文検索とベクトル検索のインデックスは合計3つまで、Flexでは10つまでです。
  • 注意点:Automated Embeddingはプレビュー版で、公式ドキュメントでは本番環境での利用は推奨されていません。ネイティブのリランキングは、MongoDB 8.3以降のAtlasでのみ動作し、セルフマネージド環境では動作しません。

料金:ベクター検索はMongoDB Atlasのクラスター料金に含まれます。Atlas Freeは$0/時間です(ストレージ512MB、共有RAM/vCPU、全文検索とベクター検索を合わせて最大3つのインデックス)。Flexは$0.011/時間からです(月額上限$30、ストレージ5GB、最大10のインデックス)。Dedicatedは$0.08/時間からです(M10、$56.94/月〜、ストレージ10GB〜4TB)。Dedicated Vector Search NodesはM10以上で利用できます。AWSでは、High CPUはS20の$0.12/時間からS80の$3.26/時間まで、Low CPUはS30の$0.11/時間からS110の$5.87/時間まで、Storage-OptimizedはS40-Sの$0.25/時間からS90-Sの$3.76/時間までです。Automated Embedding(プレビュー)は、Voyage AIモデルの100万トークンあたりで課金されます:voyage-4-lite $0.02、voyage-4 $0.06、voyage-4-large $0.12。Community EditionはSSPLで無料です。Enterprise Advanced(商用ライセンス)は要問い合わせです。

向いている人:すでにMongoDBを使っていて、アプリケーションのデータと並べてベクターを扱いたいチームです。日本語のWebサイトがあり、東京や大阪のSearch Nodesを重視する日本拠点のチームにも向いています。

7. Elasticsearch

Elasticsearchは、全文検索を中心に長く使われてきた検索・分析プラットフォームで、現在はベクターデータベースとしても使えます。dense_vectorフィールド(HNSW)でのkNN検索、BM25による全文検索、メタデータフィルター、集計を同じインデックス内で実行できます。RRFなどを使ったハイブリッド検索も、1回のAPI呼び出しで組み合わせられます。semantic_textフィールドを使うと、チャンク分割と埋め込み生成を自動化できます。

  • 強み:全文検索、ベクター検索、フィルター、集計を1つのエンジンで処理でき、ハイブリッド検索も標準で備わっています。semantic_textとElastic Inference Serviceを使うと、埋め込みモデルのサーバーを自前で動かさなくても、セマンティック検索を始められます。
  • 強み:Hosted、Serverless、セルフマネージドから選べます。東京リージョンも利用できます。Hostedは東京でAWS、GCP、Azureに対応し、Serverlessは東京でAWSとGCPに対応します。
  • 強み:日本語の公式サイトがあり、Kibanaは日本語に切り替えられます。kuromojiプラグインにより、日本語の全文検索にも対応しています。セキュリティ面では、RBACと監査ログが利用できます。
  • 注意点:課金方式がHosted(リソース単位)、Serverless(VCU単位)、Vector Database(ストレージと検索能力)で異なるため、費用の見積もりは複雑になります。本ガイドの執筆時点(2026年11月7日)では、Elasticsearch Vector Databaseの単価は確認できませんでした。
  • 注意点:Hostedでは、MLノード上のELSERとE5は、Platinum以上の機能として記載されています。EIS GPU推論、Elastic Rerank、DiskBBQは、Enterprise向けの機能として記載されています。ELSERは英語向けで、多言語のセマンティック検索には、公式ドキュメントでE5モデルが案内されています。

料金:Elasticsearch Serverlessは、Ingestが$0.14/VCU-時間から、Searchが$0.09/VCU-時間から、Machine Learningが$0.07/VCU-時間から、ストレージが$0.047/GB/月から、Egressが$0.05/GBからです。料金ページでは、いずれも「As low as」と表示されています。Elastic Inference Serviceは$0.08/100万トークンからです。Elasticsearch Vector Database(Serverless)は、ストレージ、検索能力(Search Power)、取り込み、インフラコストの4つの要素で課金されます。単価はスクリプトで描画されるCloud Pricing Tableにのみ表示されるため、公式ページで確認してください。Elastic Cloud Hostedは、Standardが$99/月から、Goldが$114/月から、Platinumが$131/月から、Enterpriseが$184/月からです(120GBのストレージと2ゾーン構成の場合)。14日間の無料トライアルがあります。セルフマネージドは無料で、ソースはAGPLv3、SSPL 1.0、ELv2から選択できます(既定のディストリビューションはELv2です)。セルフマネージドのPlatinumとEnterpriseは要問い合わせです。

向いている人:すでにElasticsearchを使っているチーム、またはベクターと並べて強力なキーワード検索が必要なチームです。特に日本語のデータを扱う場合に向いています。デプロイ方式と料金を比較するため、時間に余裕を持って検討してください。

8. Redis

Redisは、キャッシュやセッション管理に広く使われているインメモリのデータストアです。Redis Query Engineを通じてベクター検索も提供しており、FLAT、HNSW、SVS-VAMANAのインデックスを使えます。KNN検索とベクター範囲検索は、テキスト、数値、地理空間、タグの各フィールドに対するフィルターと組み合わせられます。Redis 8.4では、ハイブリッド検索用のFT.HYBRIDコマンドが追加されました。

  • 強み:インメモリ設計により、低遅延のベクター検索が可能です。キャッシュやセッション管理など、既存のRedisが使われている基盤と同じ環境で動かせます。
  • 強み:Redis Cloudは無料プラン(30MB)から始められるほか、Essentialsは$5/月からです。Redis 8以降では、Redis Open Sourceにベクター検索が標準で含まれており、ライセンスの選択肢の1つはAGPLv3です。
  • 強み:AI関連のコンポーネントには、RedisVL、LangCache、FT.HYBRIDがあります。Redis Cloudは、AWSとGoogle Cloudの東京リージョンで利用できます。
  • 注意点:インメモリのため、データ量に見合ったメモリ容量を確保する必要があります。大容量向けには、RAMとSSDを併用するRedis Flexが利用できます。
  • 注意点:公式サイトには日本語版がなく、全文検索のステミング対応言語にも日本語は含まれていません。Proは最低$200/月からで、LangCacheはRedis Cloudでパブリックプレビュー中です。日本語のキーワード検索は、事前に検証してください。

料金:Redis Cloud Freeは$0です(30MB、単一DB、ベストエフォートのSLA、コミュニティサポート)。Essentialsは$0.007/時間からです($5/月から、250MBから100GB、単一DB、共有リソース)。RAMとSSDを併用するRedis Flexも選択できます。Proは$0.014/時間からです(最低$200/月。料金ページには「First $200 free」と表示されています)。Proでは、専用リソース、複数DB、Active-Active、プライベート接続、最大99.999%の稼働率が提供されます。商用のオンプレミス版であるRedis Softwareは、無料トライアルと問い合わせに対応しています。料金は公式ページで確認してください。Redis Open SourceはRedis 8以降無料で、RSALv2、SSPLv1、AGPLv3から選択できます。

向いている人:すでにRedisを運用していて、同じ基盤に低遅延のベクター検索を追加したいチームです。日本語のキーワード検索が中心の場合は、検証で問題がなければ使えますが、そうでなければ向いていません。

9. LanceDB

LanceDBは、オープンソースの列指向フォーマットであるLanceの上に構築されたベクターデータベースです。中核であるLanceDB Embeddedは、アプリケーションのプロセス内で動くライブラリです。サーバーを使わずに、ローカルディスクやS3などのオブジェクトストレージ上のテーブルを検索できます。大規模な利用に向けては、LanceDB Enterprise(ManagedまたはBYOC)が提供されています。

  • 強み:LanceDB Embeddedはオープンソース(Apache License 2.0)で、無料で利用できます。サーバーを用意しなくても、ローカル開発や小規模なRAGを始められます。
  • 強み:ベクトル検索、全文検索、ハイブリッド検索、SQLフィルターを同じテーブル上で実行できます。画像や動画などのマルチモーダルデータも、そのテーブルで管理できます。
  • 強み:全文検索のトークナイザーとしてlindera/ipadicを指定すると、日本語テキストを分かち書きできます。Enterpriseは、SOC 2 Type II、HIPAA、GDPRに対応しています。
  • 注意点:Enterpriseの料金は公開されておらず、料金ページは問い合わせページにリダイレクトされます。埋め込み版では、インデックスの作成とコンパクションはアプリケーション側で実行されます。分散検索と自動メンテナンスはEnterprise限定です。
  • 注意点:日本語の公式サイトやドキュメントは確認できず、日本のリージョンも記載されていません。SDKはPython、TypeScript、Rustに対応しており、TypeScriptとRustでモデルベースのリランカーを使うには、自前で実装する必要があります。

料金:LanceDB Embedded(オープンソース、Apache License 2.0)は無料です。LanceDB Enterpriseには、Managed、BYOC、カスタムの3つの形態があります。AWS、GCP、Azureに対応しており、料金は要問い合わせです。公式サイトの料金ページ(/pricing)は問い合わせページにリダイレクトされ、公開されている価格表はありません。以前のサーバーレス版「LanceDB Cloud」は、現在の公式ドキュメントには記載がないため、提供状況は公式サイトで確認してください。

向いている人:ローカル開発、小規模なRAGプロジェクト、マルチモーダルデータのために、埋め込み型でサーバーレス風のライブラリを使いたい開発者。大規模な本番チームは、Enterpriseやデプロイ先について企業に問い合わせることをおすすめします。

10. turbopuffer

turbopufferは、ベクトル検索とBM25全文検索のための検索データベースです。唯一のストレージとしてS3などのオブジェクトストレージを使い、メモリとNVMe SSDのキャッシュで高速化しています。最低利用額を設けた従量課金型のSaaSで、企業向けにはシングルテナントとBYOCの構成も利用できます。

  • 強み:オブジェクトストレージを前提とした設計により、大量のデータを低コストで保存し、検索できることを目指しています。ベクトル検索、BM25、ハイブリッド検索、正規表現検索を単一のAPIで利用できます。
  • 強み:ネイティブembedding(2026年8月にGA)は、スキーマでモデルを指定すると、書き込み時と検索時にベクトル化を処理します。FAQによると、CMEKなど一部を除き、データベースの機能は各プランで同じです。
  • 強み:Python、TypeScript、Go、Java、C#、Ruby、Rustのクライアントがあります(Rustは2026年10月からベータ版です)。
  • 注意点:無料プランはなく、$16/月から最低利用額が適用されます。未使用分は繰り越されません。書き込みのレイテンシは比較的高く(512KBのupsertでp90=248ms)、キャッシュされていないデータへの検索は遅くなります(100万件でp90=1214ms)。
  • 注意点:公開リージョンに日本のリージョンはなく、日本語の形態素解析トークナイザーも記載されていません。Azureはeastus2のみのプライベートプレビューで、ネイティブのリランキングはプライベートベータです。

料金:Launchは最低利用額が$16/月です。Scaleは最低利用額が$256/月で、HIPAA対応のBAA、SSO、監査ログ、IP許可リストなどが含まれます。Enterpriseは$4,096/月からで、従量課金分には35%の上乗せがあります(シングルテナント、BYOC、プライベートネットワーキング、namespaceレベルのCMEK、24時間サポート、99.95%の稼働率SLAを含む)。計算ツールに表示される従量課金の単価は、ストレージが$0.33/GB以下、書き込みが$2.00/GB以下、クエリが$1.00/PB以下です。クエリの課金は、namespaceのサイズまたは1.28GBのうち大きい方を基準に計算されます。限界割引は、32〜128GBの部分が80%、128GBを超える部分が96%です。返されたデータは、GBあたりの固定料金で別途課金されます。監査ログのストリームは+$128/月です。ネイティブのembeddingとリランキングは、モデルごとに100万トークン単位で課金され、たとえばvoyage/voyage-4は$0.06です。無料プランはありません。

向いている人:データ量が多く、ストレージのコストを抑えたいチームで、キャッシュされていないクエリで遅延が大きくなることを許容できる場合に向いています。日本国内のユーザーは、専用クラスターやBYOCについて先に企業に相談してください。

目的別のおすすめ

目的おすすめ理由
無料プランから始めるQdrant, WeaviateQdrantの無料枠はクレジットカードが不要で、Weaviateの無料プランは最大100,000オブジェクトまで永久に無料です。
日本語の公式サイト、ドキュメント、東京リージョンを重視するZilliz Cloud, MongoDB Vector Searchどちらも日本語の公式サイトとドキュメントがあり、専用クラスターまたはSearch Nodesで東京のオプションを選べます。
日本語のキーワード検索とハイブリッド検索Elasticsearch, WeaviateElasticsearchにはkuromojiプラグインがあり、Weaviateはkagome_ja、gse、trigramのトークナイザーを文書化しています。
既存のシステムにベクトル検索を追加するMongoDB Vector Search, RedisMongoDBは業務データと同じドキュメントにベクトルを保存し、Redisはキャッシュと同じ基盤で動作します。
サーバー運用なしで完全マネージドにしたいPinecone無料のStarterプランと、定額の$20/月のBuilderプランがあるサーバーレスサービスです。
オープンソースのエンジンを自前でホストするQdrant, WeaviateQdrantの ライセンスはApache 2.0、WeaviateはBSD-3-Clauseで、どちらもマネージドクラウドの選択肢も提供しています。
独自のランキングを使う企業規模の検索Vespa, PineconeVespaは検索、ランキング、推論を1つのエンジンで実行します。Pinecone Enterpriseは99.95%の稼働率SLAとBYOCを提供しています。
埋め込み利用、または大量データの低コストな保存LanceDB, turbopufferLanceDB Embeddedは無料で、プロセス内で動作します。turbopufferは唯一のストレージとしてオブジェクトストレージを使います。

ここに挙げた候補は、調査したデータに基づくもので、順位ではありません。最終的な選択は、お使いのデータ、リージョンの要件、予算によって決めてください。小規模な概念実証で試してから判断することをおすすめします。

失敗しない選び方のポイント

無料プランで実際に何が使えるかを確認する

無料プランは、サイズ、リージョン、有効期間が製品ごとに異なります。PineconeのStarterはAWS us-east-1に限られ、Zilliz Cloudの無料枠とServerlessはフランクフルトとオレゴンでのみ利用できます。Qdrantの無料クラスターは、1週間操作がないと停止されます。

Vespaは代わりに$300分のクレジットを提供しており、turbopufferには無料プランがまったくありません。無料枠が、試したいリージョンとデータ量に合っているかを必ず確認してください。

料金モデルを利用パターンに合わせる

料金モデルは大きく異なります。Pinecone Builderは定額の$20/月ですが、Weaviate Flexはベクトルの次元数、ストレージ、バックアップに応じて課金されます。Vespaはクエリ数ではなく、割り当てられたリソースに対して時間単位で課金されます。turbopufferは最低利用額を設け、それに利用分が加算されます。

単価は、クラウド、リージョン、圧縮方式によって異なることが多くあります。選ぶ前に、自社のデータ量で費用を見積もってください。Qdrant StandardとElasticsearch Vector Databaseについては、公式ページで単価を確認できなかったため、決定する前に確認してください。

日本語の扱いを両面からテストする

日本語対応には、プラットフォームの対応と検索品質の2つの側面があります。プラットフォームの対応には、日本語の公式サイト、ドキュメント、東京リージョンが含まれます。Zilliz CloudとMongoDB Vector Searchはこれらを提供しており、Elasticsearchは日本語の公式サイトと東京リージョンがあります。

検索品質は、トークナイザーと埋め込みモデルによって決まります。Weaviate、Qdrant、Vespa、LanceDBは、日本語のトークナイズ方式を文書化しています。PineconeとRedisは、全文検索で日本語に対応していると記載していないため、お手元の文書でキーワード検索を試してください。

新しいデータベースを使うか、既存のスタックを使うかを決める

すでにMongoDB、Redis、Elasticsearchを使っている場合は、内蔵のベクター機能を使えば2つ目のシステムを追加せずに済むことがあります。MongoDBはベクターを業務データと同じドキュメント内に保持します。Redisはインメモリ型のため、メモリ容量をデータ量に合わせる必要があります。

ベクター検索が主な用途であれば、Pinecone、Qdrant、Zilliz Cloudのような専用ツールのほうが合う場合があります。追加のシステムを運用する負担と、機能が特化していることによるメリットを比べて判断してください。

セルフホスト、規模、サポートの必要性を検討する

Weaviate、Qdrant、Vespaは、自分で運用できるオープンソース版を提供しています。Pineconeのデータベースはセルフホストできず、BYOCはEnterpriseに限られています。大規模に利用する場合は最低利用額を確認してください。Pinecone Enterpriseは$500/月、turbopuffer enterpriseは$4,096/月から、Vespa Premiumは$20,000/月からです。

各プランのSLA、コンプライアンス、サポートの水準も確認してください。データに規制が適用される場合は、最終的な判断を有資格の専門家と確認してください。

よくある質問

Q. 無料プランがあるベクターデータベースはどれですか?

Pineconeには無料のStarterプランがあり、Weaviate Cloudには期限なしで無料のFreeプランがあります。Qdrantには期限なしで無料のFree Tierがあり、Zilliz Cloudには5GBのストレージと月2.5百万vCUの無料プランがあります。MongoDB Atlas Freeは$0(512MB)、Redis Cloud Freeは$0(30MB)です。turbopufferには無料プランがありません。

Q. 日本語で最も使いやすいツールはどれですか?

Zilliz CloudとMongoDB Vector Searchには、日本語の公式サイトと日本語のドキュメントがあります。Elasticsearchには、日本語のウェブサイト、日本語のKibana UI、kuromojiプラグインがあります。Weaviate、Qdrant、Vespa、LanceDBは、日本語テキストの扱い方をドキュメントで説明しています。Pinecone、Redis、turbopufferは日本語対応に制限があるため、先に試してみてください。

Q. 料金モデルはどのように違いますか?

Pineconeには月額$20の定額Builderプランと、最低利用額が$50/月の従量課金Standardプランがあります。Weaviate Flexは$45/月からの従量課金です。Vespa Cloud Basicは、vCPUが$0.10/時間で、割り当てられたリソースに対して課金されます。turbopufferのローンチプランの最低利用額は$16/月です。

Q. これらのツールを自社サーバーで動かせますか?

Weaviate(BSD-3-Clause)、Qdrant(Apache 2.0)、Vespa(Apache 2.0)は、セルフホストできるオープンソース版を提供しています。MongoDBには無料のCommunity Edition(SSPL)があり、Redis Open SourceはRedis 8から無料です。Pineconeのデータベースはセルフホストできず、自社環境での運用はEnterprise BYOCに限られます。

Q. エンタープライズ規模での利用にはどのくらいの費用がかかりますか?

Pinecone Enterpriseは最低利用額が$500/月です。Zilliz Cloud Enterpriseは専用クラスターで$197/月からで、turbopuffer enterpriseは$4,096/月からです。Vespa Premiumは個別見積もりで、最低額は$20,000/月です。Qdrant PremiumとLanceDB Enterpriseの料金は要問い合わせです。最新の料金と機能は公式サイトで確認してください。

まとめ

10のツールは、デプロイ方式、料金モデル、日本語対応の点で最も大きく異なります。マネージドサービスもあれば、オープンソースのものもあり、既存のデータベースや検索エンジンにベクター検索を追加する形のものもあります。無料プランの規模や対象地域はツールによって異なり、料金を一部しか公開していないツールもいくつかあります。

日本語で使う場合は、対応環境と検索精度の両方を確認してください。東京リージョン、日本語の公式サイト、日本語向けトークナイザーは、どのツールでも利用できるわけではありません。自分のデータで小規模なテストを行い、契約前に費用を確認してください。

  • 完全マネージドで無料から始めたい → Pinecone(無料のStarterプランと月額$20のBuilderプラン)
  • 日本語の公式サイト、ドキュメント、東京リージョンが必要 → Zilliz Cloud(東京リージョンで専用クラスターを利用可能)
  • 既存のアプリケーションデータの横でベクターを扱いたい → MongoDB Vector Search(業務データと同じドキュメント内)

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AIpedia編集部

AIpedia編集部は、AIツールの調査・比較・検証を専門とするチームです。紹介するツールは実際にアカウントを作成して操作し、料金体系・主要機能・使用感を確認した上で執筆しています。記事は定期的に見直し、情報の更新に努めています。